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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方



「オッチャン!
適当に食えるやつ!!
あ、女だから脂っこいもんはダメか?」


「なんだウードゥ、男かと思ったら女連れなのか‥‥
相変わらずお前というヤツは‥」


「別に良いじゃねえか女連れでもよ」


「‥‥‥‥‥‥‥‥」


完全に私を抜きにして進む話、それにしても男には見えているんだね、この変装って‥‥それだけは評価かな?



「悪いとは言っとらん、だがな‥‥‥」


「待て待てオッチャン!
そこから先は言いっこ無しだぜ?
人が良い気分に浸ってるってのに、ぶち壊しだろうが」


「???」


何‥‥を言いたかったんだろう?
如何にも中国という感じの、少し恰幅の良い店主さんだけど‥
なんだろ‥‥目付き、そう目付きが鋭く普通では無い感じ。



「・・ほら、女でも沢山食べないとな‥
ウードゥみたく食ってるのかいないのか、分からんようになったら終いだぞ?」


「余計なお世話だオッチャンっ!
‥‥と‥‥とりあえず食えよ、此処の肉料理は九龍じゃ一番旨い」


「え‥‥と‥‥
遠慮なくご馳走になります」


海外に出てから1つ覚えた「いただきます」の掛け声は日本の風習‥
今の私はドイツ人なんだから、いただきますは無し、言い回しが大変だけど随分慣れたとは思う。


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