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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方
ウードゥさんが前を歩いているのに、私の頭の中はグルグルと堂々巡り‥
多分‥‥一番の理由は、カイザーが盟主を狙っている、あの話だとは思う。
話は回ってはいる、今の盟主は2人って‥
でも、どっちを狙っているの?
それとも知らずに、前のままの仁科さん1人??
私はそれが知りたかったんだと思う、仁科さんばかりに責任を押し付けたく無い。
「・・ちっ、こんな時に・・
走れるかサザンクロス?」
「・・え?
あ‥‥走れます、大丈夫です」
ウードゥさんの目が鋭く‥‥
考え事でうっかりしていた、私とウードゥさんの後ろから、追うように迫るこの間の男達、あの時は不意討ちと3人という戦力だったけど、今はウードゥさん1人‥‥これって不味いでしょう!
「‥‥‥行くぞっ!」
「っっ!!」
タイミングを見計らったように、ウードゥさんは私の手を掴み、複雑な九龍の路地裏を走る!!
「この間より多くねぇかっ!?」
「‥‥‥9人‥‥違う10人、こっちに合わせるように走ってる‥‥」
「分かるのか?」
「多少は‥‥」
「だとしたらマズいと思った時点で教えろ!
反撃してやらぁ!!」
反撃って‥‥10対1‥‥こっちが不利なのに、考えがあるのウードゥさん??