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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方



(‥‥距離を開けて追い付いて来ない)


違う様子を見てる、一番最適な場所に追い詰める為に敢えて距離を離す、訓練をしていた時にルークがそう言っていた、闇雲に襲っても意味が無いと。



(多分地の理はウードゥさんも向こうも同じ、九龍の裏道を知り尽くしている、だとすればウードゥさんが走る先は‥‥)


漠然と、この1年で培った経験が私に教えてくれる、この先を走っても九龍から抜ける事が出来ない、逆に奥深くに入り込んでいるんだって。



「ウードゥさん!
これ以上行っても‥‥‥」


「何時かは追い詰められるだろ、適当に一般人が居ない場所で攻撃に転じてやるよ、そこまで心配するなよな」


「多勢に無勢って言葉知ってるの!?」


「あぁ?
知らねぇなそんな言葉」


「‥‥‥冗談‥‥‥」


どんな自信よ?
この人数に勝とうなんて無謀じゃない!
前に見た限り、このウードゥさんがそれとなく戦闘力が高いのは分かる、でもね普通の人が大勢に向かって行っても結果なんて見えている。



(‥‥誰かが傷付くのも‥‥嫌‥‥)


例え別人でも、同じ思いをするのは嫌‥
似た顔をして、また血を流すなんてもっと嫌っ!
そんな事になったら私‥‥今の私は何をするか分からない。


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