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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方


∞∞∞∞∞


走って、走って、走って‥‥
行き着いたのは予想通り行き止まりに近い場所、ウードゥさんはそこで止まり、向こうも完全に私達に追い付いてしまった。



「散々ちょこまかとっ!!」


「その女を渡せ!ウードゥ!!」


「やなこった‥‥
気に入ってんだよ、誰がテメェ達にやるかってんだ」


「・・半端者が誰に向かって逆らう?」


10人の追っ手の中から、如何にも貫禄と力がありそうな男が1人、私とウードゥさんの前に躍り出る‥‥周りを従わせるように。



「‥‥ロウレン‥‥」


「ロウレン?」


「二首龍の管理者の1人だ、普段はこんな場所にすら出て来ないというのに‥‥ちくしょう!」


管理者?
という事は幹部クラス??
でもどうして‥‥私なの、その意図は?



「このロウレンに逆らうか半端者、素直に女を渡せ‥
女‥‥いやサザンクロス、カイザー様がご所望だ、丁度良い餌になるそう仰せになった」


「っっ!!」


その言葉!ドイツの時と同じ!!


という事はドイツから、あの仁科さんを狙う男から香港に話があった‥
私を餌に仁科さんを‥‥コンラートを捕まえる、そんな事させないっ!!


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