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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方
「ごめんなさい‥‥
私‥‥懲りないね‥‥」
こんな事をしてしまい、私はどうすれば良い?
私は仁科さんほど後始末は上手くない、それに敵意はあったとしても、無作為に人を殺してしまった。
「仕方無いんだよミナミ‥‥
希少種は天使と悪魔の性質を合わせ持つ、ユウトだってそうだった、ずっと善悪で揺れ動いたんだ、急に希少種になったミナミが揺れ動いて当たり前なんだ‥
だから‥‥落ち込まないでミナミ、ユウトも僕もミナミを守る」
「‥‥‥アリアン‥‥‥」
小さなアリアンにすがっているのは私‥
全てを知るアリアン、一番強大な力を持つアリアン、なのにこうして心を悼めてくれる、私を好きだと言ってくれる、本当は此処に居るのは大変な筈なのに、私の心配をしてくれる。
「後は任せてミナミ?
深海にでも沈めちゃうから、助けた人優先してよ、ユウトでも同じ事を言うから」
「でも遺物から離れて‥‥‥」
「ある程度だったら大丈夫って知っているでしょう?
遺物にガーディアンが居る限り、僕は自由に動き回れるって、だから心配しないで行ってミナミ」
何も無くする事、アリアンはそう選択したんだね、そして私がやった事を全て消す、アリアンらしい合理的な考え。
やってしまった事を気にしつつも、私はウードゥさんを別の場所に移動させる事を選んだ‥
そんな私を笑ってアリアンは見送っていた。