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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方



「此処だったら人なんか殆ど来ねぇ‥
何も無いからな」


「立派なマンションだと思うのに‥‥」


私と仁科さんが使っているマンションとは反対方向、でも香港島の中でも高級マンションっぽい感じ‥
それなのに何も無いってどういう事?


エレベーターで割と上階まで上がり、ウードゥさんが家の扉を開けた‥
だけど入った途端に違和感、これは何??



「言ったろ何も無いと‥‥」


「‥‥物が‥‥」


違和感の原因は、あまりにも物が少ないせい、これで生活出来るのと思うくらい、広いのに物が無い部屋の中。


その中で、リビングにある数少ない物‥‥ソファーにウードゥさんは座り‥‥うんん、正確には寝転がってしまった。



「何か冷やす物を‥‥
勝手に見て良いの??」


「‥‥ああ‥‥
見られて困る物なんざ、何一つ無いぞ」


「‥‥‥‥‥‥‥」


見回せば‥‥広いオープンキッチン、これは多少使っている痕跡がある‥
後は空の部屋ばかり、いや1つだけ使用している部屋、多分此処が普段ウードゥさんが使っている部屋。


ごめんなさいと、心の中で謝り部屋の中を覗けば、乱雑になっているベッドと、パイプ作りのハンガーラックだけ‥
何故こんなに物を置かないの??


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