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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方
「‥‥聞いても良い?
どうして物を置かないの??」
「どうしてなぁ‥‥
置いてもシックリ来ねえ、俺のスタイルに合わん‥‥‥違うか、空っぽは空っぽが似合う、俺の頭の中みたくな」
「別に頭が悪い訳じゃ無いじゃない、頭は良い方だと思うウードゥさんって‥‥」
「そうじゃねえ!」
「!?」
いきなりソファーから起き上がったウードゥさんに、私の方がビックリ!
私‥‥変な事を言った??
「空っぽってのは記憶が無いんだよ‥
何時からは分からねえ、少なくとも子供の頃や、成人して何をしていたかは無い、親は居るらしいが親の顔も思い出せん‥‥だから空っぽさ」
「‥‥‥そんな‥‥‥」
記憶が無いなんて、そんな素振りなんて見せた事なんか‥‥
兄貴肌で俺様、ついでに言えば女に軽い、それがウードゥさんだと思っていたのに、本当は違った、もっと悩み苦しんでいる人だったんだ。
聞いて見ないと分からない人の人生‥
それは日本で私自身が体験したのに、聞くまで気付かなかったなんて、どうしたの私の勘っ!!
「‥‥‥余計な事を聞いたのかなウードゥさん‥‥‥」
「いや、もう気にするのは止めた、今の俺が俺なんだってな‥
外で粋がって好き放題に遊び回る‥‥俺らしいだろ?
空っぽだからこそ怖いものは無い、なんの柵も無い‥‥それが俺さ‥‥」