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契約的束縛・誘惑なる秘密
第12章 香港ー記憶の彼方
「・・勃たねぇんだよ・・
欲情しようが、その気だろうが、俺のぺニスは一切反応しねえ‥‥
これで結婚だ?
女房すら満足させられん男が、結婚なんざ出来る訳もない‥‥全てが空っぽさ」
「‥‥治らないの?」
「さあな、医者には精神的と言われたが、何かが分からん記憶すら無い、これで治ると思うか?」
名残惜しいが、俺はサザンクロスの上から降り、ソファーの小スペースに座った‥
これ以上何をしてもムダなんだ、俺の方が情けないだろ。
「空っぽには空っぽが合っているのさ、分かっただろ俺の事は、半端者それが似合っているってな」
作って貰った氷嚢入りタオルを再び頬に当て、何も考えたく無い素振りを取る‥
サザンクロスは、悲しそうな顔をして俺を見るが、同情など真っ平御免なんだよ。
‥‥‥だが‥‥‥
「‥‥それで良いの?
記憶が無いからって、半ば捨て鉢みたいな人生で良いの??
人ってね、みんな役割を持って産まれて来る、ウードゥさんの記憶が無いのは、あってはいけなかった‥‥そう思わない?」
「あってはいけなかった‥‥」
「そう、記憶が無い事に意味がある、私にはそう思えるのよ‥‥
もし記憶があれば、今のウードゥさんではない別人になっていた、ただ普通の人生を送っているだけだったんじゃないかな?」
「そんな風に考えた事は無かった」