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第17章 日本ｰ漸くの下準備という受難

「‥‥‥はい‥‥‥」


少し気落ちしながら仁科さんに付いて行くと、通されたのは仁科さんの部屋‥
やっぱりチャンと話をしなければ‥‥そんな仁科さんの表れだとは思う。



「‥‥何故１人で？
聞いても詮無き事ですね、私が言った話でしょう美波？？」


仁科さんは珍しい事に端末が置いてあるデスクに座り、私は少し離れて立っている状態‥
それも端末は動いていて、活字好きの仁科さんが敢えて端末を使って何かをやっていた証拠。


‥‥‥それよりも‥‥‥



「‥‥仁科さんに言われてから、ずっと考えていたんです‥‥私が全て悪いんじゃないかと‥‥
私がCross selsに来たから、仁科さんは隠していた力を使い、私が調教師になったから、東条海里は私達を潰しに動いた‥
全て私が原因なんだよね、そんな私が誰かに物を言える訳が無い‥‥でしょう仁科さん」


「‥‥偶然が重なっただけの話‥‥
私は私の意思で美波を欲し、押さえ付けていた力を解放しました、それが必要だった、そこに他意はありません‥
東条海里の事も偶然の産物、元々仲が悪かったところに山口県でのニアミスで動く気になったのでしょう‥‥美波のせいではありませんよ」


「でも！！」


「美波のせいでは無い、それは誰に聞いても同じ事を言うはずです‥
美波が来てから悲しい事もありましたが、それ以上に幸せな事が沢山あった、本郷さんも宮野も同じ思いでしょう」