この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛・誘惑なる秘密
第17章 日本ー漸くの下準備という受難
「‥‥それは仁科さんの方が変わってしまったせいじゃないのかな?」
「私が変わったせい‥‥
確かにルークが知っている私は、昔の冷たい方の私です‥
今の私に変わったのは、ルークが中央施設に行った後の話、そして戻って来てからルークは何処か一線を引いていたように思います‥
ドイツから飛び出して世界一周した時も、香港で調教師を始めた時も、日本に来た時も、ルークは私から距離を取っていたんですね、美波に言われるまで気付かないなんて、私も本当に鈍い」
私は仁科さんの肩に顔を付けているので、今仁科さんがどんな表情をしているか分からない‥
だけど話す声は少し悲し気なの、仁科さんに取ってルークは信用出来る存在、そんなルークが仁科さんを裏切る事なんて無いよ。
「大丈夫、ルークが仁科さんを裏切ったりしない、無言を通すのは何か理由があるって事だよね仁科さん?」
「ルークに賢人の責務を押し付けた私ですが、ルークには昔のままで居て欲しい、私の方が変わってしまったのに、虫の良い話なんでしょうか美波?」
「うんん‥‥仁科さんが言うルークが本当のルークなのであれば、私も同じ事を思います‥‥
人の心は簡単にはいかないね、仁科さん」