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契約的束縛・誘惑なる秘密
第19章 日本ー周防一尊という男
周防老の気が変わらない内に、座っていた場所から立ち上がり周防老に接近、そして一度腰に戻した宝剣を取り出した、勿論今度は隠し刃を出して。
「ほう、双刃の隠し刃か・・
先ほどは使わなかったな?」
「殺す事が目的ではありませんでしたので、ただ少し硬い棒として使いました‥
周防老手の平を‥‥指に軽く刺すだけです」
「承知した」
躊躇いも無く私に向かって手の平を差し出す周防老、私はそこに宝剣の刃を軽く突き刺す‥‥
スッと滲む血が宝剣の刃に付く、これだけあれば十分、すぐさま宝剣を離し付いた血を舌で舐め取った。
(‥‥‥これは‥‥‥)
ドクンと血が反応する‥‥
まるで初めて美波の滲む血を舐めた時のよう、躰に取り入れた血が馴染み力が上がる‥‥
やはり周防老は父と同じ血統、そして美波の血に限りなく近い、それ即ち血族関係を意味する証拠。
「どうじゃ仁科?」
「‥‥はあ‥‥
私が此処まで力が上がってしまうとは同じ血統ですね、そして私より美波の血に近い‥
周防老貴方の考えている事で当たりです、血の感覚から考えて1等身か2等身、それしか離れてはいない」
「仁科さん、それって‥‥‥」
「周防老‥‥いえ、周防一尊は美波の祖父、間違いは無いかと‥‥
後は何故美波を捨てたか、この問題は残りますが」
「美登理と北代の子、それが事実とすれば答は金沢にあるだろう‥‥
嗣よ無事な若い衆を動かせ、それも極力普通に見える者を選び金沢へ、それと共に金沢に残る唯一の周防の家に連絡を取って見よう、ワシから連絡すれば引かれるだろうが構わん」