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契約的束縛・誘惑なる秘密
第23章 香港ー再びの二首龍

「壊れたら……臓器……」
「そうなるだろうな。
その前に、一夜限りの客の遊びが入るだろうが」
「此処香港だもんなー、アメリカだってそうだったよ」

飲んでいたカップを置き、ソファーに寝転がってしまった宮野。
気持ちは分からなくもない、こんなのは海外に出てからなんだ俺達は。

主催は女が堕ちない限り丁重に扱った。
だが普通は違う事を俺は知っている……そして宮野も。
そう教わる、養成所時代にだ。

「一々気にしていたらやってられんぞ?
報告書はもう少しで終わるから、外で気分転換でもするか宮野?」
「えっマジ!?
行きたい!香港に来て街も見た事が殆ど無いんだよ」
「まぁな、前に来た時はヘルプ要員で、そんな暇も無かったんだ。多少見て回っても文句は言われんだろ」

毎回とは言わんが、こうして女を潰せば、本気で気分を変えんと、此方もやっていられん。
幸いに香港島、観光客など多数居る地域であれば比較的安全だとは思う。

「となると、手早く報告書を終わらせるか」
「この地域って何があるんだろう?
観光マップが欲しいなぁ」
「街に出たら買えば良い」
「だよね、だよね。
でも黒服のまま、これいいの?」
「普通にしていればわからないんじゃないか?
黒服自体は、その辺にある物と変わりはない」

多少気崩す感じにすれば、観光客で通る筈だ。
仁科達と違い俺達の方は、になるが。

まだ?と急かす宮野に煽られ、本当に要点だけを纏めた報告書を部屋に置き、俺と宮野は夜の香港島の街へと繰り出す事になった。
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