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契約的束縛・誘惑なる秘密
第23章 香港ー再びの二首龍
俺達の目の前に急に現れたのは、チャイナ服を着た一人の男。
今時の香港でも、チャイナ服を着て歩いている奴なんて殆ど居ない。
違和感バリバリって言うの?嫌な予感しかしないんだけど。
「Cross sels(クロスシールズ)の調教師ですね?」
開口一番、言ったのはこれ。
そりゃ本郷さんも俺も身構えるって、当たり前じゃん!
「……どうしてそうだと言い切れるんだ?」
「耳のピアス。
今、香港のCross selsには、ピアス付きが複数存在すると情報が入っています。貴方がたの事でしょう」
「で?
あんたは誰なんだよ!」
口調は丁寧だけど、仁科とは違い陰湿な感じを受ける。
それに、引っ掛かりがあるんだ俺、前に香港に来た時に聞いた話、聞いたで事実は分からなかったよ、でもコイツを見て閃くものがあるように見えるんだ。
「失礼、私は二首龍のナンミン。貴方がたをお誘いに来たと言った方が良いかも知れません」
「誘い?強制だと聞いたがな。考える間でも無い、答えはNOだ!」
「では手荒な歓迎でも二首龍に来て頂きます」
「っ!
宮野、下がれ!!」
咄嗟に受け身を取る本郷さんと、言われて後ろに回る俺。
その間にもナンミンという奴は、本郷さんに攻撃を仕掛けて来たんだ!
「くっっ!なんて力なんだ!?」
「鍛えているようですが、貴方では私には敵わない」
マジ!?
本郷さんが押されてるんだよ!
拳一発で、膝を付く本郷さんは、俺だって初めて見たんだ。