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契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠



宮野さんは一週間程の安静。
本郷さんは動けるけど、やっぱり一週間くらいは腫れが続きそう。
此が夜に襲われた後話、本郷さんも宮野さんも、重大な怪我じゃなくて良かった。それでも要安静だけど。

「宮野さん、ご飯持って来たんだけど食べれそう?」
「あー美波!
腹は減っているんだけどさ、中々起きられねぇ」

ベッドでモゾモゾとはしているんだけど、腹筋に力が入らなく……あ、潰れちゃったよ宮野さん!?

「大丈夫?」
「いてぇー、あのクソ力だもんなー」

そうなの、その日の夜は分からなかった。でも次の日に宮野さんのお腹を見れば、広範囲に青アザが出来ていて、本当に暫くは何も出来ない状態なのよね。
宮野さん本人も落ち込んでいるし、早く治って欲しいのが私の本音。

「私が支えるから」
「……うん」

宮野さんを背中から支え、何とかベッドの上だけど起き上がる事には成功。
そこに急遽用意したベッド用のテーブルに運んで来た食事を置いて、やっと食べられるの。

「……相変わらず俺だけ」
「宮野さん」
「同じく本郷さんも居たのに、本郷さんは腕の打撲だけ。
なのに俺はベッドから動く事すら出来ないなんてさ、腹に一撃食らっただけなのにな、少し情けないや」

フォークで惣菜をコロコロと突っつきながら、宮野さんは愚痴を溢す。
此が此処数日の宮野さん、誰が何を言ってもダメなの、話も聞いて貰えない感じ。

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