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契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠
「だって管理や更新は向こうの仕事じゃない、問題は何に使うかだと私は思う。
宮野さんが使うのは、私達に一番都合が良い事ばかり選んでる」
「ヴァーチャルは、腕力なんて関係ないから。
でもリアルな俺は、助っ人にすらならないんだって」
あぁ、また初めに戻っちゃった。
幾ら言っても、結局は此処に戻ってしまい前を向いて貰えないの。
前の私だったら、もう少し言えたのかも知れない。
でも、今の私では……盟主になってしまった私では、説得力が無いのも理解はしているよ。
でもね、此処まで構築したのは宮野さんの力。それにCLUBに出している道具の数々。それは全部宮野さん一人で出来た事なんだって分かって……宮野さん!
◇
今日のところは私が引き下がるしかなく、泣く泣くリビングには戻って来た。
ちゃんと話を聞いて欲しい、私はそれだけなのに。
「美波、宮野はどうだ?」
「…………」
本郷さんに尋ねられても、反す言葉が無くて、私はただ首を横に振る。
それだけで分かってくれる、本郷さんや仁科さんには感謝しているよ、余計な説明をしなくて済むから。
「あれは堪えるよな、多少宮野の気持ちも分かるんだ、俺でさえこうなんだから」
「……本郷さん」
動ける本郷さんは、仁科さんと一緒に食事中。
勿論私もそれに加わる。
今食べないと、この後は仁科さんと普通にショーがあるの。
四角いテーブルの誰も座って居ない場所を選び箸を持つけど、あまり食は進まない。