この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠
「……あの、あのね」
「どうしました美波?」
「美波?」
食事も取らないで、考えるのはみんなの事ばかり。
だとすれば言って見よう?
ダメでも、言わないと伝わらない事だってあると思うの。
「ミングイさんの屋台に行ったらダメかな?
ミングイさんなら何か知ってそうですし、ついでにほら美味しい料理も……」
仁科さんと本郷さん、二人の顔を見れば分かる、あまり賛同したくないって。
だけど動かないと何も得られない、違う??
「はぁ、美波今あの場所が危険と理解して言っていますか?」
「理解は……してます。
でも少しでも何かを掴まないと、私達は此処から動けないんじゃないですか仁科さん」
「……それは」
今のままじゃダメ、それは全員分かっているのよ。
打開する何か、それの手掛かりを持っているのが、ミングイさんだと私は思ってる。
「私がイェンフィの所に行きますから」
「イェンフィさんだけではCross sels(クロスシールズ)の事しか分からない。
ツインドラゴンの事を早く知るには、ミングイさんの方が私は良いと思うの」
「美波が一人で行くのか?
仁科じゃないが、それは俺でも反対するぞ」
やっぱり本郷さんも反対。
言われるとは思っていたけど、こんなに反論されるなんて、私はそこまで信用ない?
「ただヂャン・ミングイに会う、それだけでしたら問題は無いでしょう。
ですが、あの店には件のミン・ロンチャンが出入りしています。
もしあの男がカイザーだったら?危険なのは美波になるんですよ」