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契約的束縛・誘惑なる秘密
第24章 香港ー周到なる罠
「ミン・ロンチャンには接触しない、会う事になれば逃げる、此でもダメ仁科さん?」
「美波でしたら逃げるは簡単でしょう。でもそれで問題解決になりますか?
残る二人に会った場合はどうしますか美波??」
「二人、ワン・レンさんと……ウードゥさん」
「半端者とは言われていますが、私が見た限りツインドラゴン寄りに感じました。
そしてヂャン・ミングイ自身もツインドラゴン寄りです、此が何れだけ危険なのかを、もう少し自覚して下さい美波」
「…………」
仁科さんにこう言われたら反論の余地無し。
言っている事は全て仁科さんの方が合っているし、あの中の誰でもツインドラゴンに繋がってしまうのも合ってるから。
「そこまで美波を責めてもな、美波も何かしたいというのは分かるんだ」
「私は責めている訳では……。
いえ、責めているように聞こえるんでしょうね」
「そんな事は思っていません!
本郷さんも、仁科さんも、心配して言ってくれていると分かっているもの」
何時もなら、直ぐに丸く収まる話も今は……。
どうしてこう噛み合わないのだろう?
互いの想いの相違が、こんなに辛いなんて。
心配し、心配され、私達は成り立ってる。
良い時もあり、今のように悪い時もあり。
だってそれが普通だもの、人なんだから思い悩むんだよ。
でも手を取り合えるのも私達じゃない?
私ではまだ上手く纏められないかも知れない、それでも纏める事、それが今一番大事なの私達には。