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契約的束縛・誘惑なる秘密
第25章 香港ー囚われの美波

宮野さんと本郷さんが怪我をして落ち込み、ルークに力を使ってしまった私。
更に仁科さんに分からないようにと、仁科さんに気付かれない方法でこんな事をしているんだから、結果を見出ださないといけない。

「ウードゥさんだったら答えてくれる。
私の勝手だけど、そう信じてるよ」

ウードゥさんに、別れを言ったのは……私。
そのウードゥさんにもう一度会う。都合のいい話なのは百も承知してる。
でもね、みんなで日本に落ち着く為には、ツインドラゴンが邪魔なの。
何時また本郷さんと宮野さんが怪我をするか分からない香港なんて、そんなの嫌なのよ。

私だったら大丈夫、簡単に怪我なんてしない。
自分の身は自分で守れる……守れるようになったんだもの、これを使わない手はないでしょう。

(あ、出て来た)

レンさんとウードゥさんが、CLUBの外に出て裏路地を歩き始めた。
それを見付からない距離を取って付いてゆく。

(あまり気分がいいものじゃない)

誰かの後を密かに追う。
まるで犯人を尾行しているような不快な感覚。
それを我慢してでも、私は聞かなくてはいけない。
どうして一緒じゃないのかを。

(……この路地裏で、何処が一番適しているのかな?)

深く暗い路地裏。
永遠に続くのではないかと思うくらい道は繋がっていて、私はどのタイミングで声を掛ければ良いのかを思案中。

(あまり離れてしまうと、Cross sels(クロスシールズ)のテリトリー外になってしまうし、だけど近すぎてもCross selsの誰かに見付かってしまう恐れがある)

丁度よい場所って何処だろう。

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