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契約的束縛・誘惑なる秘密
第26章 香港ー盟主と皇帝
エレベーターが開けば、そう20人程度でしょうか? 私を待ち構えるように取り囲む。やはり下層も監視されていましたか、まぁ予想の範囲内ですがね。
「……怪我をしたくなければお退きなさい、手加減は一切するつもりはありません」
「なんだとゴラァ!!」
一人……警棒のような武器を持ち、私に飛び込んでくる害虫。私には丁度よいデモンストレーションにはなりますよ? 振り下ろす警棒を軽々と掴み、回し蹴りで首を狙うだけのこと。
「……グハッッ!?」
「威勢の割には呆気ない。あぁ、首が折れていないことを願いますよ。……最悪即死ですからね」
何事でもないように言い放ち、私は前えと進み出す。あれを見た他の者達は、私を取り囲みながらも、攻撃が出来ないよう。
普通の人間などこの程度。どんなに足掻こうとも、私の身体能力の方が遥かに上なんですから。
(最上階に繋がる道は何れです?)
下層のエレベーターは、何れもこの階で止まるよう設計されていた。となれば、この階から別のエレベーターないし階段があるはず。ただ歩くと見せかけて、私は注意深くフロアー内に気を配る。
(??
上階から下がって来る気配。これがそうですか)
わざわざ向こうから、お教えてくれるようなものだと思いませんか? 多分に人員補給だとは思いますが、向こうから上昇口を教えてくれるんです、そちらに向かうしかないでしょう?
「少々甘く見られていますかね私は?」
見た目という点では甘く見られがち、それは嫌なほど理解していますが、こう毎回となると面倒だとも思ってしまうんですよ。