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契約的束縛・誘惑なる秘密
第26章 香港ー盟主と皇帝

私が上階へ行くエレベーター付近に到着するのど、エレベーターがこの階に止まったのはほぼ同時。
瞬間身構えましたが、中から出て来た連中がした事は、この階に居た者を抑え、私を上階へと通すこと。

(なるべく生きて捕まえたい、その意図が丸見えですがね。まぁ、この誘いに乗りますか)

私的に不都合がある訳でもなし、此処は素直に向こうに従うべきでしょう。
エレベーターに乗り込んだ私を、向こうは階のボタンを押しただけで特に何もせず、私はまたエレベーターで上階へと向かうだけ。
この先が本番、カイザーは何を考えたのか。……何となく意図は読めますが、みなまで問うつもりもない。カイザー本人を潰せば済む事……私にはそうとしか思えないんですよ。

最上階とおぼしき階に到着し、エレベーターが開いても周りは無人。前もそうだったと思い出す。
人を近寄せないのか、近付かないのか、判断は出来ませんが、余計な犠牲を出さないという点では好都合。
そして通路は一本、迷うことも気配を探ることもなく、最奥にある大扉まで辿り着いた。

(流石に此処は気配がしますね。カイザー、ミングイ、そして出はしませんでしたが、前にも居た者。パターン的にイェンフゥイと同じですか。……芸が無い)

扉を開ければ、中央にカイザーが座っているのも同じ。違うのは初老の男性と、その男性に捕まっている無傷のミングイという点だけです。ただし、あの初老のの男性も、肉体強化はされていると推測しますが。

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