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契約的束縛・誘惑なる秘密
第26章 香港ー盟主と皇帝
「これで邪魔者は消えた。後は貴様だコンラート・ゼクス! 逃げ回るだけの男が、この俺に勝てるだと?」
「前回はイェンフゥイを助ける方を優先しましたが、今回は別です。元々私は、カイザー貴方を排除する為に此処に来ましたからね。……本気で相手をしてあげますよ」
「負けるのは貴様だっっ!」
「下がりなさい、ヂャン・ミングイ!!」
「っっ!!」
ミングイが後方に下がるスピードでは遅すぎます。此処は飛び出したカイザーに合わせて私も前方に飛び出す。スピードは私が上、これは前回でハッキリしていること。先ずはミングイが安全圏に下がるまで、同じように様子見でしょう。
「また逃げるか!」
「此方にも都合がありましてね。……あぁ、いい感じです、では反撃しましょうカイザー?」
大振りの攻撃を数撃回避しているうちに、ミングイはこの部屋の隅にまで避難。これで後顧の憂いは絶ちましたよ?
改めて、カイザーの繰り出すパンチを左腕でいなし、直ぐに右ストレート!
「!? くっ、貴様……」
「言いましたよ……本気と」
「隠していやがったのか!!」
「私は手の内を簡単に見せるタイプではありません」
私の一撃入っても怯みませんか。やはりカイザーだけにある、特殊な肉体強化と見るべきでしょう。それなりに力は込めましたから。
「貴様も強化されたか?」
「ですから一緒にされては困りますね。そもそも死の天使が使用する物、あの出所は私です。だからこそ、あの男は私に固執する。……もう一度同じ、いえそれ以上の物を作る為に……」