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契約的束縛・誘惑なる秘密
第26章 香港ー盟主と皇帝
同じ程度の力、そうなれば手数が勝負。更なる追い撃ちとして、蹴り上げた足を地に付けバランスを取ってからの、左ストレートを腹にお見舞いしてあげましたよ?
「意外に交わせませんね?
攻撃だけで交わす事を覚えませんでしたか?」
「この俺が……俺が何故交わす事を考えねばならん!? 俺より力の強い奴など居ない!」
「居ますよ此処に。そして死の天使のことです、貴方と同じかそれ以上の強化体を用意していると思いますよ」
「俺より知っている口振りだな?」
「少なくとも、過去の死の天使は知っていましたね。潜伏してからは分かりませんが……冷酷な研究者、その性質は変わらないと思います」
「接点がそこだと?」
「えぇ。私が死の天使に研究を依頼し、私の血を渡したのが事の始まり。ですから、私がやってしまった後始末は私がやるべきでしょう? 死の天使本人及び実験体全ての消去、それが私が此処に居る理由」
「壮大な理由だな。全てを消せると? どれだけの人数が死の天使の手に掛かったと思っている?」
「さぁ……。ですが私の血を使用している以上、私は実験体を追う事が出来ます。少々特殊ですからね、私の血は……」
「どう違うって言うんだっ!」
今度は拳! 振るう軌道まで計算し、右手でど真ん中を受け止める。そして反動を利用した此方からの背負い投げ!
「ぐはっ!」
カイザーの体は宙を舞い、コンクリートの床へと受け身すら取らせずに叩き付けた。さて、これでどの程度のダメージなんですかね?