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契約的束縛・誘惑なる秘密
第26章 香港ー盟主と皇帝

「……まだですよ」
「っっ!」

更に蹴り上げようと思いきや、カイザーは直ぐ様起き上がり後方に引きましたか。ダメージはそこまで多くないと判断。そういえば、無駄筋肉もクッションの内でしたか? ルークの受け売りですが。

「互角……のようだな、コンラート・ゼクス?」
「今のところは……。さて、どうしましょうかカイザー?」

ヂャン・ミングイが居る以上、自然の力を使うという選択肢はありません。今身バレするのは得策ではない、そんな判断ですが……。となれは完全に腕力勝負、これもまた面倒そうです。

(もう少し腕力を上げるか、急所狙い。今見た限り、かわさなかっただけで回避能力はそれなりにある……ですか。この場合、私の素早さを上げた方がいいんですかね?)

冷静に状況判断しなければ、長期戦になってしまうでしょう。下層の事を考えれば、短期戦が理想的なんですが、カイザーへのダメージの蓄積が読めないのが痛い。

(一度一撃必中で入れてみましょうか?)

私の得意と言われていますが、これは本来中国の技。そこに私の腕力が加わって出来たのがあれ。ルークは覚えたくてバタバタしたのが思い浮かびます。

「……一度本気でいってみましょうか。互角かどうか、その身で試して下さい?」
「なにっ!?」

私は助走を付けるように走り出す。至近距離からでもいいですが、カイザーを見てこの方がいいと思ったんですよ。助走の勢いすらも力に変え、カイザーの一歩手前で踏み留まり渾身の拳を胸に向かって繰り出した!

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