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契約的束縛・誘惑なる秘密
第26章 香港ー盟主と皇帝
やはり私と美波では罠が別。それにワン・レンはミン・ロンチャンやイン・ウードゥと行動を共にしていた者。それが美波に接触したとなれば、美波は確実に動きます。これが美波の単独行動の理由でしょう。
「向こう側の罠の場所は分かりますか?」
「ワシには分からぬ……。カイザー様もユウウンも……ワシを信用しておらず、お二人で話し合った模様。……無理な願いと承知、筋違いも承知……だが愚息を……助けてくれまいか……レイは巻き込まれただけ……ワシとカイザー様の間で……板挟みだったレイ。……あれに罪はありませぬ、どうか……どうか……」
「出来る限り。それが遺言と受け取りました。此方でも捜索をしています。……間に合えばいいんですが……」
「そう……ですか。レイと共に貴方のパートナーも……こんな事をして……すまなんだ……Cross sels盟主よ………」
「…………」
最後の最後に、私しかきこえないような小さな声で……。気付いていた、私が盟主だと、聡いティェチンだけが気付いていたのでしょう。このような逸材を簡単に潰すなど……。
「意思確かに受け取りましたよ。……安らかに」
事切れたティェチンの瞳を閉じ、私は次に向かう為にヂャン・ミングイの元へと歩く。此方は何処まで知っているのか、それも気になるところです。
「ヂャン・ミングイ……」
「驚いた。まさかカイザーと同等の力の持ち主だったとは……」
「聞きましたね、私には私の目的があると。そして貴方を助けたのは、サザンクロスが心を痛める為、後の他意はありません」