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契約的束縛・誘惑なる秘密
第26章 香港ー盟主と皇帝
「サザンクロスとは全く別の冷たい言い分だな」
「私はこのようなものです。ヂャン・ミングイ、貴方は何処まで知っていますか?」
美波や本郷さん達はともかく、人から外れている私は、なるべく人の人生や行動には関わらない。それが私が身に付けた処世術。普通に話すくらいはしますがね。
「何処までと聞かれても、いきなり拉致られ部屋に閉じ込められていたんだ。情報も何もないぞ」
「そうですか……。サザンクロスが何処へ行ったのか、本当に探らせていますが、この広い香港では情報無くして探すのは無茶なんですよ」
「それは二首龍が使いそうな場所を教えろという事か?」
「分かる範囲で構いません。何もなく闇雲に探すよりは効率的かと思いましてね」
イェンフゥイに聞くという手もありますが、ミングイの方が詳しいのではないか? そんな思いからですが、当たるのかは半信半疑といったところ。
ミングイも考えてはいますよ、ですが当たりがありそうな雰囲気ではありません。
「……幹部クラスとなれば、新界を使うことが多いとは聞くが、九龍エリアに出没することもある。要は読めないが正解だ」
「程よく根付いているようで……。新界か九龍……サザンクロスが居たのは九龍、目立つ移動はしない、私はそう考えますが、これもまた憶測の範囲内」
多分に美波の他にワン・レンとイン・ウードゥが居たのではないか? 特にイン・ウードゥ……あの男が関われば美波は動く。あまりにも似ていますので。