この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
契約的束縛・誘惑なる秘密
第27章 香港―苦痛とメモリー
ユウウンを睨み付けても、火に油を注ぐだけと理解しちゃいるが、俺が見ているのはユウウンじゃない、ユウウンが持つ拳銃にばかり目が行くんだ。
「テメェから殺られたいのか? あぁ、イン・ウードゥ!」
「……知るか」
(??
俺は同じ言葉を言わなかったか?)
その瞬間、俺の頭に流れる記憶のフラッシュバック!
『知るか、自分で引き起こしておいて、自分が逃げ出すとはな。いい笑い種だ東条……』
『てめぇ……。
……お前が来てから、何もかもが狂った!
日本は俺だけ、それで上手くやっていたのに、何故中央はお前を日本に寄越した!?』
『知らんな……。
ただ俺は候補地を日本にと言っただけだ。
それに、うちの連中に手を出したから、連中も本気になっただけの事。
…………に手を出して、タダで済むと思ったか?
…………には本部と盟主が付いている、どの道手を出した時点でお前は終わったんだよ』
『本部と盟主だと!?
そんなものは幻に過ぎん!!』
(どうして名前だけが出て来ないんだっ!)
そろそろ分かっている、俺がCross sels側だったと。
幻と言われる本部と盟主に会ったことがある、そして俺にも仲間が居た事を。
「どうしたイン・ウードゥ? 威勢の割には拳銃でビビったか?」
「……拳銃? そんなもんでビビっていたら、俺の人生ガキの頃に終わってたな。撃てよ、殺るんなら心臓ど真ん中が理想だぜ?」
何故か分からんが、コイツを煽りたくなったんだよ。強者の余裕ってのか? 俺はそれが気に食わねぇ。