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契約的束縛・誘惑なる秘密
第28章 香港―苦痛とレリース

向かうのはウードゥさん達の元。うんん、あの拳銃の所と言った方が正しい。
今の私の心は……怒り。そして二度と同じ光景は見たくないという想い。例えウードゥさんでも、あんなのはもう見たくないの。
自分はもう動けないのに、私に笑いかけた櫻澤さん。『前を見て進め』と、私を押し出し、櫻澤さんだけが犠牲になった。あんな想いはもう嫌っ! 許さない、私に二度も同じものを見せるなんて……。許さない、拳銃を持つ者は全て私の敵! だから……。

「……銃を持つ人間は敵、私の大切な人を奪うもの。
拳銃を手にする愚かな人間……私は絶対に許さない」

3人、うんん、ユウウンに話し掛ける私。向こうは驚いているけれど、私には造作もない事。ただ抑え込んでいただけ。

「女! どうやって……!?」
「銃を持つ人間が悪い。
拳銃は私から一番大切な者を奪った。私から一番大切な居場所を奪った。
……許さない、拳銃を持つ者は全て敵。欠片一つ残さず消してあげる、私の前で拳銃を出すそっちが悪いのよ」

半分無意識に言葉を紡ぐ私。だって、怒りで私が私でなくなっている。そう自覚もある。だけど許せないこの想いは、もう止められないの。

「やかましいっ! 何が拳銃だぁ? 世の中銃が正義だろうが。そう、こんな風になっっ!!」
「……っ! させないわ」

ウードゥさんに向かって、拳銃の引き金を引こうとしているのが分かる。その瞬間、抑えていた私の力が解放されて拳銃に向かって飛ぶ!

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