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契約的束縛・誘惑なる秘密
第28章 香港―苦痛とレリース
みんな同じ。
櫻澤さんも。
仁科さんも。
本郷さんも。
宮野さんも。
ルークも。
アリアンも。
そしてレンさんも。
縁があったから、私達は巡り会った。日本で香港で、全く知らないのに出逢った人達、それは私にとっての宝物。だからこそ私は、レンさんを一緒に連れて来たの。
車は私が知っているウードゥさんのマンションから、目と鼻の先にあるマンションに停まった。もしかして此処なの?
「……直ぐ近く」
「香港島は人口密度が高いんだ、簡単にマンションなど見つからない。偶々空いていたのが、俺が住んでいた向こうのマンション。あれも苦労したがな」
「香港は日本より住居査定が厳しい。此方が裏で手を回していたイン・ウードゥの経歴と資産、それが無ければ到底無理な物件」
「俺も香港島だけど、居住区には殆ど来た事がない」
「レンさんまで香港島」
「全員同じ場所に居た、カイザーも含めた我々全員。狭い場所でよく何事もなかった、とにかく降りよう」
ルークに連なって私達もマンションに入る。私はまた櫻澤さんに抱っこされてだけど……。
最上階近い一室が、ルーク達が手配した部屋みたい。ルークがスペアーキーを持っていて、櫻澤さんが渋い顔をしていたもの。
「やれやれ、また此処に戻って来るとはな」
「必要物資の調達、それとこれはどうする?」
ルークが見詰めているのは……レンさん。ルークもどうしたらいいのか、図りかねている様子。