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華の王妃
第9章 アンリア

少女の名前はアンリアと言う。
名ばかりの没落貴族の娘らしく両親を流行り病で
亡くした為妹と共にこの館に女官として出仕している
叔母を頼って侍女の職を得たらしいが。
「中々どうして。悪くない顔だ。」
「王妃様にどことなく似通っておられますわね。
むろん王妃様のような華やかさはございませんが。」
小作りの細面な上品な顔に華奢な体躯。
髪色は茶色と平凡だが華やかに着飾ればさぞや
美しかろう。
「あの様子では生娘であろうが。」
「噂では妹も美しく乳母殿がどちらかを王弟殿下の
側女にと考えているようですわ。
気立ても良く何より煩い親もいない。」
「だからか。あのような眼差しで殿下を見つめて
いたのは。」
ああいったのはやっかいだが。
上手く使えば使える駒になるやも知れぬな。
「年は?妹の方も一応見ておきたいが。」
「姉は15、妹の方は13とか。」
「十分男を受け入れられる年頃ではあるな。」
「ほほほ。では確認いたしますか?私の方から
乳母殿に話は通しておきますが。」
「何と言って?殿下の側女候補なのに。王宮の宦官が
調べる謂れはあるまい。」
「そこは殿下にご協力頂いては?何とでもなりましょう。」
「そうだな。殿下は王妃様一筋ゆえ難色をしめされようが。
これも王妃様の為・・・」
名ばかりの没落貴族の娘らしく両親を流行り病で
亡くした為妹と共にこの館に女官として出仕している
叔母を頼って侍女の職を得たらしいが。
「中々どうして。悪くない顔だ。」
「王妃様にどことなく似通っておられますわね。
むろん王妃様のような華やかさはございませんが。」
小作りの細面な上品な顔に華奢な体躯。
髪色は茶色と平凡だが華やかに着飾ればさぞや
美しかろう。
「あの様子では生娘であろうが。」
「噂では妹も美しく乳母殿がどちらかを王弟殿下の
側女にと考えているようですわ。
気立ても良く何より煩い親もいない。」
「だからか。あのような眼差しで殿下を見つめて
いたのは。」
ああいったのはやっかいだが。
上手く使えば使える駒になるやも知れぬな。
「年は?妹の方も一応見ておきたいが。」
「姉は15、妹の方は13とか。」
「十分男を受け入れられる年頃ではあるな。」
「ほほほ。では確認いたしますか?私の方から
乳母殿に話は通しておきますが。」
「何と言って?殿下の側女候補なのに。王宮の宦官が
調べる謂れはあるまい。」
「そこは殿下にご協力頂いては?何とでもなりましょう。」
「そうだな。殿下は王妃様一筋ゆえ難色をしめされようが。
これも王妃様の為・・・」

