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華の王妃
第3章 恋する人
寝所の奥から聞こえてきた声に女官たちの小さな悲鳴が響く。
「入れ。姫の手当をせよ。」
王の呼び声に応じユリウスは扉を開ける。
王は寝台の前に立ち尽くしていた。
かろうじて衣類こそ身に着けているものの今だ興奮収まらぬ様子で
高ぶったものが下履きを押し上げていた。
ところどころ赤いのは王女の血だろう。
ユリウスは軽く一礼すると寝台を覆う紗をかき分け王女の様子を確認する。
「これは酷い。せっかく良くなられてきましたのに。」
引き裂かれた衣の破片が寝台の上に散乱していた。
王女は何も身に着けておらず白い裸体がうつ伏せになって気を失っていた。
ざっと見ただけでもうっ血の跡が身体のあちこちに見え、性器から流れ出た血が
太ももまで伝っていた。
「俺は・・ 」
「・・・・ 」
「否、いい。治療して速やかに回復させろ。」
王は片手で豊かな巻き毛をクシャリと掻き揚げると足早に寝所から
出て行った。