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華の王妃
第4章 ユリウス
「おう、おう、どうなさいました?まるで頑是無い童のような。」
ユリウスは清潔な布でそっと涙を拭ってやる。
「私を返して・・・こんな・・こんな・・ 」
「それ以上お泣きなさいますな。お体に障ります。それよりも
今はお体を清めお食事を取ることです。もしよろしければ私が
姫君の身体に触れるのをお許し下さいますか?」
「恥ずかしい・・こんな・・」
「先ほども言いましが、私は宦官です。姫君が恥ずかしがる必要など
ございません。本当なら水浴びなどして頂きとうございますがあいにく
旅先にて水で身体を拭うくらいしか出来ません。」
「それなら、自分で・・・ 」
「今の姫君に御出来になりますか?身体の節々が痛むでしょう?」
そう言って姫の身体を優しく寝台へと横たえた。
リンダリアは反抗しようとしたがユリウスの言う通り腰や身体の節々が
痛んで思う通りに動けないことに気が付くとぎゅっと目を瞑る。
ユリウスはそんなリンダリアを労し気な瞳で見つめると濡らした布で
身体を拭い始めた。