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華の王妃
第5章 王弟


「殿下は本当にお優しくて。どんなに慰められたことか。」


「そのような。私のような未熟な者が・・・ 」


「いいえ。殿下がいて下さらなければとっくに命を絶っておりました。」


「義姉上・・・いいえ・・リンダリア・・どうかそんなことは仰らずに! 」



ナリエスはリンダリアの手を取るとそのすべらかな甲に唇を滑らせる。
そして切なげな瞳でリンダリアを見上げる。


「貴方に何かあったら私は、彼者は・・・」



ナリエスの言葉にリンダリアはハッとしたような顔をすると懇願する
ようにナリエスを見下ろした。



「息災でおりますよ。医官殿との約束ですからこれ以上お教え
することは出来ませんが。」


「ええ・・もちろんですとも、今のお言葉だけでも・・十分です・・ 」


「リンダリア・・・ 。」


「どうか、どうか良しなに。」


「勿論ですとも。この身に変えましてもお守り致します。」




私とリンダリアとの間の可愛い我が子です。



ナリエスはそっと耳元で囁いた。














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