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華の王妃
第7章 王
リンダリアが完全に床上げしたのは出産を終えて半年も経った頃の
ことだった。
食の細いのが良くなったせいか白いばかりの頬が艶々としたバラ色になり
念入りにくしけずられた金髪は日に当たると輝きを増す。
女は子を一人産み終えた頃が一番美しいと言われるが今のリンダリアが
まさにそれかも知れない。
離宮に咲く花々に囲まれながら微笑むリンダリアは誰が見ても
眩いばかりの美しさに輝いて見えたが悲しい出産のせいだろうか
時折憂いを秘めた大人びた表情を見せるようになった。
「どうしても?」
「御意に。」
頭の中ではもう二度とルーカスは疎か祖国へも戻ることは許されない。
そうわかってはいるはずなのに王とのことになると口に出さずには
居られない。
申し訳なさそうに苦笑するユリウスに罰の悪そうな顔をするリンダリアは
年相応で可愛らしかった。
女官達の前では高貴な女性、王妃として申し分なく振舞っているのだ。
こうして小さな我儘を言うのはユリウスにだけなのだから。
「もう床上げされたのですから。王との閨には支障はございませんよ。」
「でも・・・ ・・ 」