この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
華の王妃
第8章 女官長

「何故だね。」
ユリウスの問いに女官は困ったように眉を細める。
「私も上手く説明できませんが、今しばらくすれば王様と王妃様のお仲は
それなりに落ち着くと思いますの。これは女の癇ですけれど。」
「それはどういうことかな?私にはとんとわからないことだけれど。」
「私が思うにお気持ちはともかくお身体の相性はすこぶる良いものと思いますの。
王様は誰よりも女がどうすれば喜ぶかご存知の方ですし、王妃様は
このところ蕾が解れ匂うように美しくなられましたわ。それもこれも
女としての喜びを知ってきたからでございます。」
「そういうものかな。」
「女とはそういう生き物でございますわ。心などなくとも男を受け入れることが
出来る生き物でございます。子を産み育む為だんだんと強かになるように
成長してゆくもの。」
「ほう・・」
意外に鋭いことを言う女官にユリウスは驚いた風を装う。
「王妃様は美しく可憐で庇護欲をそそる方ですけれども、その内面は
芯の強さが時折垣間見える時がございますから。」
「そうかも知れぬな。」
「ですからどれくらいかかるかわかりませぬが王様とのことはそれなりに
なってゆくと思いますの。」
「だと良いがな。王の王妃様への執着は常軌を逸している。かの
コーラス王もあそこまでの執着を見せただろうか。」
「それは男の性質の違いですわ。」
女官は艶っぽく笑うとユリウスも可笑しそうに笑い返す。

