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華の王妃
第8章 女官長

「そなたの言葉が誠なら喜ばしい慶事もそう遠からずだな。」
「ほほほ。そうなればあの女官長様が大層お喜びになられることでしょう。」
「女官長か。」
「はい。あの方ほど王様を想う方を私は知りませぬ。お世継ぎがお生まれになれば
女官長様自らが養育なさるでしょう。」
「たしかに王の信頼も厚く王妃様付きになられたのは王の強い推挙があっあからだが。」
穏やかで控えめな性格が選ばれた理由だと伺ったが。
「あの方はたしかに教養もあり慎み深い。立派な方だと思いますわ。
私たち下々の者にも決して声を荒げたことなどもございません。
けれど私は思うのです。女の癇と申しますか。日頃貴方様の命で王妃様を
観察しているせいでしょうか。あの方が時折恐ろしく思う時があるのです。」
女官の言葉はユリウスを驚愕させた。
「あの方は王妃様の全てを支配しようとしているのではないかと・・・ 」

