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華の王妃
第2章 離宮の妃
一度も赤子に含ませることの出来なかった乳。
初乳だけでも飲ませてあげたかった。
身体に障るからと王の命令ですぐに連れて行かれた赤子は黒い髪だった。
視界に入る豊かな巻き毛も黒髪だった。
瞳の色は何色だったのだろうか。
今となっては知ることも出来ない。
遠くにいってしまった赤子。
ぴちゃぴちゃ。
不快な音が自分を現実へと戻す。
いい加減離れて欲しい。
乳房はずいぶんと軽くなった。
下半身に王の欲望の証が当たる。
産後の肥立ちが悪かった為ユリウスからは行為は禁じられているから
妃の中に挿入られることはない。
けれど床上げすればまたあの悍ましい行為は繰り返される。
母乳が出なくなれば身体はただの女に戻り子を宿そうとするのだという。
こんな下種な男の子なんて孕みたくない。