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サイレントエモーショナルサマー
第10章 強制エンカウント
「もしもし?…ああ、お前か。わりーちょっといいもん見つけてさ……ああ、今度お前にも使わせてやるから……分かってる今から行く」
通話を終えてスマホを鞄に放り込む。股間から彼の出した精液を垂れ流しながら呆然と立ち尽くす私を再会してから初めて優しく抱き締める。
そっと唇に触れる熱が、いつもとは違う。全身をとろけさせるあの甘さはやっぱり藤くんしか与えてくれない。
ゆっくりと晶はしゃがみ込んで、自分で汚した場所に唇を寄せた。ぴくんと身体を震わせるとクリトリスに息を吹きかけて、太腿に強く吸いつく。
「…志保」
言わなくても分かるだろう、と視線が訴える。私が緩慢な動作で下着を穿き、汚れたガウチョを拾ったのを確認すると晶は床に投げ出された私の鞄へ手を伸ばす。
「お、あった…聞いたことねー会社だな。あ、着たか。ほら、お前の鞄」
藤くんのシャツがそんなに汚れずに済んで良かった。服を着終えた私の手に鞄を握らせると、ちゅ、とキスをしてさっさと外へと出ていく。
「呼ばれてるから俺もう行くわ。帰りにどこぞの変態に犯されねえように気つけろよ、じゃあな」
のろのろとトイレから出た私にもう一度キスをして晶は去っていった。
「………」
あの時、駅の近くで晶に腕を掴まれた瞬間、逃げなくてはと思ったのは、彼が恐かったからではなかった。今、晶と暮らしていた頃よりも物のように扱われるセックスに目覚めてしまった自分を知られるのが恐かったのだ。
強姦に等しいセックスで、私は間違いなく興奮していた。中に出してくれ、と言った時の気の高ぶりは冷めた頭では上手く言い表せない。
堕ちてこい、と命じる言葉など必要なかったのだ。私はもう、堕ちてしまっている。
彼は再び、私の前に姿を現すのだろう。亡霊ではなく生身の人間の彼が。
犯してやるよ、と言われれば、犯されてやるよ、と身体を許すに違いない。
「………どうしようもない女」
晶のモノの変わらぬ太さが思い出されて、ぐちゃりと汚れたままの膣が疼いた。