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サイレントエモーショナルサマー
第13章 confusione
雨が少なくダムの貯水率が云々となればそれは困るだろうと思うが、二日連続の大雨というのは実にテンションが下がる。
平常時の雨であれば狩りの成功率も上がるし万々歳といえど、今の私は禁欲を強いられているのだ。肌寒さなどどこかへ行ってしまえ。
― くそ、あと4日か
大人しく眠りについていた怒りは元気に跳ね起きている。どうか誰もイライラさせないでくれ。今の私の導火線はかなり短いぞ。事実、自分で焦がしたトーストに無性にイライラしてゴミ箱にぶち込んだばかりだ。
晶が居なくなり、その後暫くして性的欲求が弾けてから月経前症候群の改善や、こんなもん来なくなればいつでも出来るし、うっかり中に出されてもオッケーじゃん、と浅はかなことを考えて低用量ピルを服用したことがあった。
だが、体質的にホルモン量が少ないものでも重い副作用が出た為に服用を中断せざるを得なかった。もし、神様というやつがいるならば一週間くらいは自分の身体を労われとかそんなことを考えて私をそんな体質にしたのかもしれない。
結局、子孫などいらんと思っていながらも毎月きちんと月経を迎える身体のままだ。
新たに焼き直したトーストにバターとマーマレードジャムを塗りたくって、コーヒーと共に無理やり胃に流し込む。
今日はペアルックだといじられずに済むようにと思いながら服を選び、身支度を整え自宅を出る。7月に入ったというのに大雨の影響か、やはり、肌寒かった。