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サイレントエモーショナルサマー
第15章 glicine
「俺だけを見て。あなたとセックスしてるのは俺だって、ちゃんと見ながら気持ち良くなってください」
「…う、ん」

いつの間にかゴムをつけた藤くんのモノが入り口を擦り上げる。ぴくりと反応するといじわるく何度か往復させてから切先を宛がう。

「んん…っ…」
「…っ…いつもより、ぬるぬるして…、」
「藤くんも…なんか、かたい…っ…」

慣れないチクチクした感じが下腹部を刺激する。普段でも十分な硬さを誇るモノが今日はなぜだかいつもより硬く感じた。

「藤くん…ぎゅって、」
「はいはい」
「えっ…!?ちが…っ…こうじゃ、…んっ…ふかい…っ」
「俺ね、これ好きなんですよ」

ぐい、と腕を引かれたかと思うと藤くんの上に跨る形になった。そんなこと、知っている。藤くんは所謂、対面座位のままキスをしたり、私の髪を撫でたりするのが好きらしい。

「んっ…んっ…、藤くん…っ」
「キス魔だなぁ、」
「ちが…あっ、…っ」

キス魔なのは藤くんじゃないか。セックスの最中にこんなにキスをするなんて藤くん以外にはいない。

「藤くん…っ…くるし、…っ…きもちくて…あンっ…」
「もうちょっと寄りかかっていいですよ、」
「うん…っ…」

藤くんの首に抱き着いて体重を預ける。背中を撫でる手の熱が、泣き出しそうになるほど心地よい。耳の中に舌が入ってくるとつい、腕に力が入った。

「はぁ…っ…志保さん、」

鎖骨の辺りに藤くんの唇が触れたのが分かる。あ、と思った時にはもう強く吸いつかれていた。痛いくらいに何度も、何度も、吸い付かれる。

「そこは…っ…」
「…っ…も、付けちゃいました」
「ばか…っ……あっ、んんァ…っ」

やられた。でも、もうなんでもいい。なんだっていい。気持ちが良いから、藤くんが満足そうにしているから、もう、なんでもいい。
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