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サイレントエモーショナルサマー
第16章 falco pellegrino
拘束は外さぬまま私の身体を横向きにすると、後ろから抱き締めるように寝そべった。うなじに口付けながら武骨な手がアンバランスなほどに優しく胸を揉みしだく。

「眠くなってきたんだけど」
「寝る前にこれ取ってくれないかな」
「取ったらしーちゃん帰っちゃうっしょ」

隼人の太い足が私の足に絡みつく。浅黒い肌が見えると、自分の肌がいつも以上に青白く見えた。尻のあたりに触れるモノはふにゃりと柔らかく、やはり3発目は出なさそうだ。ほっと安堵の息を吐くと胸を揉んでいた手が乳首を抓り、腰へと移動する。

「ね、隼人、これ取ってよ」
「…………」
「え!隼人!?うそ、寝た!?」

絡みつく足も、腰を抱く腕も強さを保っているというのにうなじに隼人の寝息のようなものがかかる。絶望的だ。隼人は眠りが深く、一度眠ったら中々起きない。

なんとか身体を離そうにも眠っているとは思えない力がそれを阻む。

「隼人、ね、起きて。隼人くーん!」

その叫びも虚しく響くばかりで、明るい部屋に隼人の鼾が轟く。顔射を回避できた安堵もあれど、絶望感は否めない。隼人はいったい何時に目を覚ますだろう。私は眠ることが出来るのか。明日は11時に浩志と待ち合わせている。遅刻することになったらどうしてくれるんだ。
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