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サイレントエモーショナルサマー
第20章 voce
藤くんの持続力は一般男性のそれを遥かに凌駕している。ピストンを繰り返せばそれなりに早く達することもあれど挿入したまま動かずにいても彼のモノは硬さを失わない。

仰向けの状態で挿入された筈がキスにうっとりしている内に体勢を変えられ、彼のお気に入りの体位になっている。

「んっ…あっ…藤くん…っ」

胡坐をかいた藤くんの上に跨ってキスをしながら腰を揺り動かす。自分で刺激を求めながら喘ぐ姿は結構みっともないだろう。

藤くんはとにかく挿入しているのが好きらしい。時々、思い出したように私の腰を掴んで上下させつつも殆ど動かずにキスをして、乳房に触れる。そうしている時の藤くんの顔は欣快に満ちて、美しい。

「あっ…んんっ…んっ…」
「志保さん、気付いてます?さっきからぎゅうぎゅう締め付けてます」
「だって…んっ…これ、おく…っ…きもち、い…から…っ…あっ…」

ふうっと乳首に息を吹きかけられたかと思うと甘く噛まれた。ぞくぞくと駆けあがってくる快感にまた膣がぎゅっと締まったのが分かる。

身体中から汗が吹き出す。疲れて藤くんに抱き着くと汗ばんだ背中に同じくらい汗ばんだ藤くんの手が触れた。

「も、だめ…きもちよくて…くるし…っ…んっ…」

心臓の音が煩くてたまらなかった。痙攣する足にはもう力なんて入らない。

「…やっぱりちょっと飲み過ぎたかもです。流石にそろそろ、」
「や…も、じゅうぶん…あっ…んん…っ…」

もう充分だ。恐ろしいと思う程に飲まされていてこれだけしっかり勃起する人なんて出会ったことがない。うつろう視線を藤くんのものと合わせる。唇同士を寄せ合ってから藤くんの頬に触れると私の身体はゆっくり押し倒されていく。

「藤くん…っ…あァ…っ…あっ…だめ、…イク…っ…」
「いいですよ。俺も、」
「イって…あンっ…おねがい…っ…もっと、」
「どっちですか、もう」
「んん…っ…わかんない…っ…」

ぎりぎりまで引き抜いて、焦らすことなくまた奥まで戻ってくる。仰け反る首筋にキスをしてから私の腰を抑えると速いピストンを繰り返す。
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