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サイレントエモーショナルサマー
第1章 さらば、不変
はくはくと口が開いては閉じる。喉が渇いた。散々喘がされて息を吸うのも苦しい。
ずん、と奥を衝かれて短い悲鳴が漏れる。それを食むようにキスをして、乾きかけた口内に彼の舌が挿し込まれた。歯列をなぞり、逃げ惑う私の舌を捉える。
「んんっ、」
キスの終わりに、下唇を甘く噛んで彼の顔が遠ざかる。普段の無邪気さをどこかへ消し去った男の顔。
至近距離で視線を交えて、私の瞼にそっとキスを落として彼は自分の体を起こす。律動がまた速くなった。はしたない喘ぎ声はもう掠れている。
「おねが、い…も…イって…、」
「まだですよ。俺を甘く見てたこと志保さんが思い知るまで辞めてあげません」
「ばか…!あっ…そこ、…ダメ…っ」
確かに私は彼を甘く見ていた。口汚く言うならば一発やらせてやれば大人しくなるだろうと思っていたのだ。だからあの時、こんなことになるとはこれっぽっちも想定することなく、彼の言葉にイエスと答えた。