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サイレントエモーショナルサマー
第22章 gelosia
「ね、藤くん、またしたくなっちゃうからもう寝よう」
「欲しがりですね。ほぼ毎日なのにまだ足りないんですか」
「だって、藤くんとするの気持ち良いんだもん」
「じゃあ、もう俺しかいらないですね。他の人としたいって思います?」
「…………」
「黙秘ですか」
「えへへ。その時になってみないと分かんないし」
「全く…。俺本気で志保さんを外に出したくないですよ」
今、藤くんに問われてみて、まだ断言できない自分が居ることに少なからず失望した。藤くんは特別だ。特別だけど、まだオンリーワンじゃない。
「…試してみましょうか」
どうしたら私は藤くんだけになるのだろう、なんて考えていたら低い声が言った。ん?と藤くんの顔を見るとどこからどうみてもなにかを企んでいる顔つきである。ああ、これこれ。嫌な予感がするやつだ。
「た、試すとは…」
「腹の底から嫌ですけど、俺の前で俺じゃない人とセックスしてみてください」
「…荒療治が過ぎます」
「相手は俺が選びます」
「無視!?嫌だよ」
「それは、どっちが嫌なんですか?」
「ふ、藤くんに見られるの嫌だ…」
「やっぱりそっちですか。本当に、もう」
呆れた息を吐いた藤くんが私の首筋を甘く噛む。きゅんと疼く下半身に、辞めろ!と喝を入れ私を抱き締める藤くんの手に触れる。
「酷いことしそうな人は選ばないんで、安心してください」
「私が案じているのはそこではありません。あ、じゃあ恭平くんにしよう、ね」
「あいつはダメです」
「なんで。じゃ、じゃあ、隼人は?」
「そいつもダメです。志保さんに気がある奴はダメ」
「その拘りは理解致しかねます」
「とりあえず、この話も明日詰めましょう。はい、もう寝てください。おやすみなさい」
きっぱり言うと藤くんはいくら私が話しかけても見事なまでにスルーして、次第に小さな寝息を立てはじめた。寝顔が見たいと思っても私は彼に後ろから抱き締められたままで上手いこと身動きが取れない。
ちぇ、と呟いて目を伏せる。真っ暗闇の中、時計の音と藤くんの寝息だけが聞こえる。
藤くんの前で、藤くん以外の人とするというシチュエーションは中々刺激的だ。藤くんに見られるのはなんだか嫌だが、彼以外の人とセックスをするのはちょっと試してみたかった。
隼人と試したときは思わぬ方向に話が転がってしまった。今度その機会が訪れた時、私はどう感じるのだろう。
「欲しがりですね。ほぼ毎日なのにまだ足りないんですか」
「だって、藤くんとするの気持ち良いんだもん」
「じゃあ、もう俺しかいらないですね。他の人としたいって思います?」
「…………」
「黙秘ですか」
「えへへ。その時になってみないと分かんないし」
「全く…。俺本気で志保さんを外に出したくないですよ」
今、藤くんに問われてみて、まだ断言できない自分が居ることに少なからず失望した。藤くんは特別だ。特別だけど、まだオンリーワンじゃない。
「…試してみましょうか」
どうしたら私は藤くんだけになるのだろう、なんて考えていたら低い声が言った。ん?と藤くんの顔を見るとどこからどうみてもなにかを企んでいる顔つきである。ああ、これこれ。嫌な予感がするやつだ。
「た、試すとは…」
「腹の底から嫌ですけど、俺の前で俺じゃない人とセックスしてみてください」
「…荒療治が過ぎます」
「相手は俺が選びます」
「無視!?嫌だよ」
「それは、どっちが嫌なんですか?」
「ふ、藤くんに見られるの嫌だ…」
「やっぱりそっちですか。本当に、もう」
呆れた息を吐いた藤くんが私の首筋を甘く噛む。きゅんと疼く下半身に、辞めろ!と喝を入れ私を抱き締める藤くんの手に触れる。
「酷いことしそうな人は選ばないんで、安心してください」
「私が案じているのはそこではありません。あ、じゃあ恭平くんにしよう、ね」
「あいつはダメです」
「なんで。じゃ、じゃあ、隼人は?」
「そいつもダメです。志保さんに気がある奴はダメ」
「その拘りは理解致しかねます」
「とりあえず、この話も明日詰めましょう。はい、もう寝てください。おやすみなさい」
きっぱり言うと藤くんはいくら私が話しかけても見事なまでにスルーして、次第に小さな寝息を立てはじめた。寝顔が見たいと思っても私は彼に後ろから抱き締められたままで上手いこと身動きが取れない。
ちぇ、と呟いて目を伏せる。真っ暗闇の中、時計の音と藤くんの寝息だけが聞こえる。
藤くんの前で、藤くん以外の人とするというシチュエーションは中々刺激的だ。藤くんに見られるのはなんだか嫌だが、彼以外の人とセックスをするのはちょっと試してみたかった。
隼人と試したときは思わぬ方向に話が転がってしまった。今度その機会が訪れた時、私はどう感じるのだろう。