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サイレントエモーショナルサマー
第3章 檻のなかの土曜日
「…お腹すいたね」
空腹を訴えた藤くんのそこに手を伸ばす。ちらりと見上げた時計。14時過ぎの目覚めから4時間が経過していた。折角淹れてくれたコーヒーも一口飲んだだけだ。すっかり冷めきっているだろう。
「初めてですよ、こんなサルみたいな過ごし方」
「おサルさんも多分食事は取っただろうね」
「なんか買ってきます。それかどっか食べに行きます?」
「藤くん…私はあと1時間は立てそうにない」
開かされ続けた股間はもう動かさないでくれと悲鳴を上げている。ここまでヤり続けたのはいつ以来だろう。
素っ裸のまま脱力する私の身体にタオルケットをかけてくれた藤くんは絡まって酷い有様の髪をゆっくりと梳いて手早く着替えを済ませる。
おう、まじか。なんで何事もなかったみたいなご様子なんでしょう。彼の体力はミステリーを超えてもうファンタジーの域に達している。あの時、無理だって言ってたのはなんだったのか。
「ちょっと行ってきますね。あ、そういやさっき行った時歯ブラシとかは買っておいたんで使ってください」
――それはもっと早く言って欲しかった。