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サイレントエモーショナルサマー
第6章 slow-acting
いやいやをしても身体はベッドに引きずり戻された。下肢は破けたストッキングと湿ったショーツを纏ったままで気持ちが悪い。後ろから私を抱き締めて開けた穴から太腿をさする手の甲を抓る。
「いてっ。いや、すみません…でもね、この格好エロかったんですもん」
志保さんも興奮したでしょ、と耳の裏を舐められる。また欲しくなってしまうから辞めてくれ。時計を見ればもう日付が変わろうとしている。
「帰らないで。俺、志保さんと一緒に寝たい」
身体を反転させ、藤くんの方を向いた。自分から落ちに行くなんてバカだと分かっている。ねえ、志保さん、と甘い声にきらりと輝く瞳。少し口を突き出すとちゃんとキスをしてくれる。
「…明日の朝、起こしてくれる?」
「もちろん」
「服、着替えに帰るから5時だよ」
「……6時にしましょ」
「ダメ、5時」
「5時だとあっという間ですよ」
「じゃあ帰る」
「分かりました、5時にしましょう」
交代でささっとシャワーを浴びた。藤くんは今日も自分のパンツを私に穿かせたがったからふたりで一緒に選んだ。なんだかぴちっとする素材のファンシーな柄のボクサーを選ぶとそれは実家のお母さんがふざけて送ってきたものだと笑っていた。
藤くんの匂いのするTシャツを着て、彼の腕の中で目を閉じる。うとうとと眠りの世界に飛び込みそうになったとき、ああ、そう言えば天気予報は大外れだったな、と思った。