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サイレントエモーショナルサマー
第6章 slow-acting

手足から力が抜ける。藤くんの長い射精の間、あろうことか私はイキ続けた。何度かに分けた射精を終えると深く息を吐く。耳の中に入り込むその感覚で背中がぞくりとするとまた腰が跳ねた。

あんなにおしゃべりだったくせにイった後の藤くんは静かだ。私を抱き締めたまま覆い被さって、呼吸を整えようとしている。可愛い。いじわるがしたくなって膣に力をれると藤くんはうっと呻いた。それがまた可愛い。

時間を忘れて藤くんの体温に沈む。鼓動はだんだんと穏やかになって、頭が正常な機能を取り戻しきった頃、藤くんはぺろっと私の唇を舐めてからゆっくりと私の中から出ていった。

腕枕をしてもらってキスをしながらじゃれ合った。私の化粧が崩れてると笑うからむっとして彼の顔に顔を擦りつけるとアイシャドウが移って藤くんの目の下がきらきらと輝くのがおかしかった。

「……藤くん、シャワー貸して。帰らなきゃ」

ついうっかりそのまま眠ってしまいそうになって身体を起こして言うと同じく眠たそうだった藤くんはカッと目を見開いてベッドから出ようとする私の手を掴んだ。

「え、帰るんですか」
「帰るよ。明日も仕事だよ」
「分かってますよ。うちから行けばいいじゃないですか」
「帰る気満々だったから泊まる用意してないもん」
「歯ブラシありますよ」
「重要なのは歯ブラシだけじゃねーよ」
「ストッキングなら買えばいいじゃないですか。俺、買ってきますから」
「そこでもねーわ」
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