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お前がすきでたまらない
第30章 信の青春ノート
「啓介がバカな事言うから笑われちゃったじゃないの」
「私は谷川ユキです」
「よろしくね」

ユキさんって言うのか・・・
クラスの女子としか話した事のなかった俺は年上の綺麗なお姉さんの挨拶にクラクラした

「そろそろ腫れひいたか?」
「家はどこだ?」
「送って行くよ」

「そんな!!」
「悪いです!!!」

「いいんだよ」
「正義の散歩のついでだ」

そう言って先輩は俺を家まで送ってくれた


「また来てね」
帰り際のユキさんの社交辞令を真に受けて

「はい!!」
なんて遠慮もなく言ったのを覚えてる



正義の散歩がてらに俺を送ってくれる先輩

気のせいか?
さっきよりもゆっくりな様な・・・

よく見ると正義の後ろ足が少し引きずっているようだった


「ん?遅くてごめんな」

正義の足を見ていたので先輩が俺に言った

「正義を見つけたのは二か月位、前だったかな?」
「車か自転車に轢かれたのかわからないけど・・・」
「道路の端で小さな声で鳴いていて・・・」
「どうしても、放っておけなくて・・・」
「家に連れて帰って、小遣い全部使って病院へつれて行ったんだ」

「命が助かったのが嬉しくてな」
「俺が飼うって決めたんだ」


「そうだったんですね」

俺も正義も先輩に助けてもらった仲間だな
そう思うと、必死で歩いている正義がかわいかった


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