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冷血な獣
第9章 よんかく
「監視……?」
「それではまた。失礼します」
リビングに立ち尽くしている私へ丁寧に頭を下げて、鷺沼さんはリビングから出ていく。
……本当に行ってしまうんだ。
もう龍河さんと会えなくなる。
二度と……。
一緒にこのまま住んでいたって龍河さんの事を振り向かせる事は出来なかっただろうし、ずっと嫌われたままだったかもしれないけど。
一度だけでも、龍河さんの本心が聞きたかった。
どうして私を恋人にしたのか。
私のどこが嫌で別れたのか。
そのまま玄関のドアの閉まる音が聞こえてくると、私はその場に座り込む。
そして龍河さんの未来を想像して、心が苦しくなった。