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冷血な獣
第2章 冷血人間の彼女
* * *
「妃南…あ、いや。佐伯さん、お茶を入れてくれないか?」
「はい…」
週明けの月曜。普段通り会社へ出勤して、何事もなく仕事をする…わけにはいかなかった。昼休憩の時間、デスクの椅子に座っている龍河さんから話し掛けられて給湯室へ入ると、途端に後を追ってきた同僚から問い詰められる。
「妃南! あんた今のどういうこと!? 龍河さんから名前呼びされるなんて、もしかしてあんた達付き合ってるの!?」
一年先輩である茶織先輩は26歳で、私の姉的存在。普段から仲が良く、色々と相談する相手でもある。
「茶織(サオリ)先輩、どうしましょう…。私やっぱり裏切り者扱いですか?」
急須にお茶っ羽を入れながら、不安な表情で質問する。給湯室へ向かうまでに女性職員達から突き刺さるような視線を送られて、動機と眩暈がしていた。
「まさか、マジで!? どうやって落としたの!?」
「それが…」
私は金曜の夜の事を、茶織先輩に話し始めた。