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冷血な獣
第2章 冷血人間の彼女

偶然、Barの前で会った事。その後マンションまで送って、部屋で押し倒された事。そして、彼女にしたいと言われた事。全部話すと、茶織先輩から驚かれた。

「…何なの、その羨ましい話! 龍河さんと寝たって…どうだったの?」
「どうだったのって何がですか…?」
「セックスよ! 上手かった? あの人、セックスの時も無表情で淡々としてるの?」
「それは…」

急須にポットのお湯を注ぎながら、龍河さんに抱かれた時の事を思い出す。

―――あの時の龍河さん、今までにない程かっこよくてドキドキした。意外と優しかったし…。

思い出している内にまた緊張し始め、頭がぼーっとしながら体がのぼせ始める。

「えっと…」
「いや良いわ。良かった事だけ分かった」

答えようとすると、茶織先輩に制止された。話そうと思ったのに、顔に出ていたんだろうか。そのまま続けて話す茶織先輩の話を、真剣に聞く。

「でも意外だったわ。龍河さんのタイプが妃南だったなんて」
「タイプ…?」
「彼女にしたいって事はそういう事でしょうが!」

そうなんだろうか…。龍河さんのタイプが私なんて、到底思えないけど。

「でも告白とかされてないですよ、私…」
「しない男なんてわんさかいるわよ!」
「そうなんですか…?」

お湯を注ぎ終えた急須に蓋をして、お盆の上に湯飲み茶碗を用意する。

「見てなさい! 私が確かめてあげる!」
「確かめる…?」

確かめるって何の事? そう不思議になりながら私は、隣で意気込んでいる茶織先輩を見つめていた。
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