この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
冷血な獣
第2章 冷血人間の彼女
偶然、Barの前で会った事。その後マンションまで送って、部屋で押し倒された事。そして、彼女にしたいと言われた事。全部話すと、茶織先輩から驚かれた。
「…何なの、その羨ましい話! 龍河さんと寝たって…どうだったの?」
「どうだったのって何がですか…?」
「セックスよ! 上手かった? あの人、セックスの時も無表情で淡々としてるの?」
「それは…」
急須にポットのお湯を注ぎながら、龍河さんに抱かれた時の事を思い出す。
―――あの時の龍河さん、今までにない程かっこよくてドキドキした。意外と優しかったし…。
思い出している内にまた緊張し始め、頭がぼーっとしながら体がのぼせ始める。
「えっと…」
「いや良いわ。良かった事だけ分かった」
答えようとすると、茶織先輩に制止された。話そうと思ったのに、顔に出ていたんだろうか。そのまま続けて話す茶織先輩の話を、真剣に聞く。
「でも意外だったわ。龍河さんのタイプが妃南だったなんて」
「タイプ…?」
「彼女にしたいって事はそういう事でしょうが!」
そうなんだろうか…。龍河さんのタイプが私なんて、到底思えないけど。
「でも告白とかされてないですよ、私…」
「しない男なんてわんさかいるわよ!」
「そうなんですか…?」
お湯を注ぎ終えた急須に蓋をして、お盆の上に湯飲み茶碗を用意する。
「見てなさい! 私が確かめてあげる!」
「確かめる…?」
確かめるって何の事? そう不思議になりながら私は、隣で意気込んでいる茶織先輩を見つめていた。